儲かる農業教えています
1.本当に儲かる農業なのか
地域と協力して、その域内にて農作物の生産と加工の双方を行う『アグリビジネスユートピア』。WBCはこの手法を全国の企業や団体へと教えることを行っています。しかし、そもそもこの手法が「儲かる農業」でなければ、各地域の方々の興味をひくことはできないでしょう。
そこで、ここでは、いかにWBCがすすめる農業手法が儲かるものなのか。それを解説いたします。
2.有限会社ワールドファームと提携
有限会社ワールドファームは、2000年の設立からこのアグリビジネスユートピア構想の旗手であり、全国17箇所に生産拠点を展開する企業です。年商は直近3年間で10,5億→13.3億→15.2億と右肩上がりに伸びており、経済・ビジネス専門誌『週刊ダイヤモンド』(「儲かる農業」特集)が選ぶ“モデル農家”で2年連続首位(2016年、2017年)、2018年にはモデル農家を超える“レジェンド農家”として2位にランキングされています。年々上昇する売上高、利益は「アグリビジネスユートピア構想」のモデルケースとして、その確固たる根拠・裏付けとなっております。しかし、これはワールドファームという企業が特別有能であるとか、何か特殊な秘訣があるからではなく、WBCに参画いただく農家なら誰でも実践できる「儲かる農業」のスキームが為せる技です。
では、このワールドファームは、どのようにしてこの実績を築き上げたのでしょうか。
3.儲かる農業の秘訣
儲かる農業を解説する際には、まず通常の農業の弱点を把握する必要があります。
・農薬を多く使用しないと市場で売れる作物ができない
・どうしても出るハネ品を廃棄しなければならない
・価格変動が激しい
・付加価値をつけるのが難しい
・出荷にかかる梱包費・運送費の比率が高い
・生産性が低いために人件費率が高くなる→正規雇用が難しい
・収穫が集中するために、出荷時期の調整が難しい
これらの弱点を、アグリビジネスユートピアでは全て長所に変えることが可能です。順に解説しましょう。
①人件費削減
人件費削減については、主力商品であるカットキャベツを例に挙げて考えてみましょう。
今までは、青果を生産する農業と、食品加工を行なう加工業は全く別の個人や会社が担っており、それぞれに人件費がかかっておりました。農家はキャベツを作るだけが仕事だったし、食品加工工場はキャベツを加工するだけが仕事だったわけです。
しかし、農家には農繁期と雨季などの農閑期があり、工場にも繁忙期と閑散期があったため、その時間が無駄になっていました。私達はこの縦割りの構造を打開、最適化し、農業の人員と工場の人員を同一にすることに成功したのです。
つまり、農家は雨が降ったら加工工場で働き、工場の作業員は晴れた日は農地に出て農作業を行います。すると、今まで二人必要だった人員が一人で済みますので、農業と工場の生産性を維持したままで、片方の人件費がまるまる削減することができるという仕組みです。
② 運送費削減
アグリビジネスユートピアでは、農地の半径10km圏内を目安に加工工場を建設し、農地で収穫された作物をすぐに工場に持ち込める環境構築が必須となっています。農家と工場が離れていると、ここに運送業者などに支払う運送費が必ずかかってしまいますが、工場が近隣にあり農家の軽トラで持ち込むことができるため、ここにかかっていた運送費が大きく削減できます。
③ 梱包費削減
運送費とともにかかっていたダンボールやガムテープなどの梱包資材についても、自分で使っている収穫コンテナでそのまま工場に持ち込めば良くなりますから、梱包費はまるまる削減することが可能です。
④天候不順や収穫期の集中による価格変動対策
農業は台風や長雨といった天候に売上が大きく左右される不安定な産業であると言われていますが、私達はそれらのピンチを逆手に取るノウハウを持っています。事実、天候が荒れ多くの農家が不作となった2017年6月期に、過去最高益をマークしました。多くの農家が苦しめられる中、私達はピンチをチャンスに変え、大きな収益をあげていくことができました。
その第一の理由は、農場の全国分散、展開です。北は北海道から南は熊本まで、広い地域で生産することでリスクを軽減するとともに、被害を受けた地域の減産分を他地域での増産で補うことが可能です。これにより非常に安定した収益の確保と、市場への供給を実現することができるようになりました。
また、第二の理由は「加工」ですが、こちらについては次項で詳しく解説致します。
NEXT加工へ