加工により利益はさらに数倍へ
1.主たる商品は「加工品」
野菜を商品化するには青果と加工品がありますが、私達は青果ではなく加工品を主たる商品とします。本稿では、なぜ青果ではなく加工品なのか、なぜ加工品を使うと儲かるのかを解説致します。
2.農薬費の削減とハネ品の有効活用
野菜や果物を出荷する際には、形の良さ、傷や虫食いの有無、規格内の大きさであるかなどが細かく審査され、審査基準を満たさないものについては「ハネ品」(俗に言う「訳あり」)として出荷することができないか、仮に出荷できたとしても大きく値段が落ちてしまいます。青果として出荷しようとした場合、少しの虫食いや病気でも作物は出荷できなくなってしまうため、必要以上に農薬を散布して、作物の虫によるダメージや傷みを防ぐことが求められます。
しかし、青果出荷用ではなく、加工用とした場合、わずかな虫食いであればその部分をカットすれば他は全く問題ないきれいな野菜なので、無駄なく加工して出荷することが可能です。
これにより、農薬にかかる費用を1/3まで削減することが可能となります。
3.規格外の大きさを加工用に作ることで反収アップ
青果はグラム単位で出荷できる規格が決まっており、キャベツはひとつ1.2kgから1.6kgの間までなど、その大きさや重さについて厳密な審査があります。当然、これをオーバーしたものは育ち過ぎとして青果では出荷できません。ただ、規格より大きく育ってしまったものでも味には全く問題がない場合も多いため、いっそ最初から「加工用」として大きく育てます。キャベツなどは加工用であれば大きければ大きいほどたくさん出荷できるため、そのぶん反収(一反あたりの収穫量)を増やすことが可能です。
4.市場価格のコントロール
また、市場価格が安いときは余ったキャベツを冷蔵庫に貯蔵し自社のカット工場で使いながら、市場価格が回復してきたら余剰分を生鮮品として市場に出荷します。これにより市場価格に振り回されることがなく、平均価格の3倍以上で市場に売れることもあり、余剰生産分が出荷量の調整弁だけでなく利益の源泉となることもあります。
これが私達のスキームが「儲かる農業」とする理由です。
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